2016年3月6日日曜日

支援者が 「得意分野」より「苦手分野」を支援する理由

発達障害は二面性があります。それは知能検査にも表れます。
例えば、知的障害は総合IQが70以下となりますが、
発達障害は70以上、つまり平均内以上の結果となります。
では「何が普通の人と違うのか」と言えば、
総合IQではなく、各項目の成績の落差です。
発達障害の場合、
「得意分野は常人以上、苦手分野は常人以下」となり、
「成績を総合すると平均内以上に収まる」という事です。
そして支援の場では「苦手分野」に焦点にあて、
「得意分野」は置き去りとなる傾向があります。
それは何故か?自分が思うに、
「支援者の能力の問題」と、それに準ずる
「支援者の責任の問題」の二つがあると考えられます。
(能力がなければ、責任が負えない)
順に説明していきます。
先ず能力向上のためには「失敗のリスク」は避けては通れません。
誰もが「失敗をしながら」ステップアップしていきます。
支援者は「失敗しても安全な場」を用意し、
失敗によるリスクを抑えて能力向上を促します。
そして、支援者がリスク管理しやすいのは
「得意分野」より「苦手分野」の方です(ココ重要)
理由として、
・「苦手分野」であれば支援者が「教えられる立場」である事
・「苦手分野」の失敗であれば、周囲の理解が得られやすい事
そして逆に「得意分野」を育てるためには
「その分野のエキスパートが必要」になります。
もし支援者にエキスパートがいなければ、
「外部のエキスパートの方にお願いする」という事です。
これは支援者にとって大きな責任、大きな投資になります。
また、支援者の方は
「当事者の得意分野を見極める力」が必要になります。
(そうでないと投資が失敗した際の責任が取れません)
支援者としては「ハードルが高過ぎる」という事です。
以上が「当事者の得意を活かす支援」より
「当事者の苦手を埋める支援」が優先される理由と考えられます。

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