2016年3月9日水曜日

当事者を支援者に

今後、発達障害の支援に必要とされるのは、
「発達障害の当事者を、支援者にする試み」であると思います。
定型発達の支援者では、定型発達の範囲内でしか支援が出来ません。
定型発達は、良くも悪くも
「定型発達しか育てられない」のではないでしょうか?
同じ発達障害同士であれば、
近い特性の方から「苦手分野も得意分野も」学ぶ事ができ、
アプローチの仕方も当事者視点に即した形になります。
「発達障害の事は、発達障害に任せてみる」事が
将来的には必要になってくるのではないかと思います。

2016年3月7日月曜日

支援者が 「得意分野」より「苦手分野」を支援する理由 2

支援者は発達障害の「得意を活かす支援」より
「苦手を埋める支援」の方が管理しやすい。
何故なら、支援者は
責任能力の限界を超えた支援は出来ないからです。
という事は、何を意味するかというと
「発達障害の能力を活かす支援」は
「支援者の能力の限界」に左右されます。
例えば「会話は苦手だが、音楽の才能がある」
当事者がいるとします。
しかし支援者がプロ級の音楽家でもない限り、
その当事者の「得意を活かす支援」は出来ないわけです。
しかし仮に支援者が、
プロから音楽を学べる機会を用意したとしても、
そこで当事者が「会話が苦手」などの特性により
何かトラブルが起きた際、支援者の責任は重くなります。
であれば、支援者は「会話は苦手」という特性への
支援の方が、支援者の能力的にも、責任的にも
リスク管理しやすい訳です。
しかし苦手分野ばかりの支援では、
当事者は満たされませんし、
(苦手分野ばかりやると)失敗体験も増えるので、
自己否定的になり、結果として
全体的に能力低下という事態が考えられます。
これが発達障害の支援の難しさです。

2016年3月6日日曜日

支援者が 「得意分野」より「苦手分野」を支援する理由

発達障害は二面性があります。それは知能検査にも表れます。
例えば、知的障害は総合IQが70以下となりますが、
発達障害は70以上、つまり平均内以上の結果となります。
では「何が普通の人と違うのか」と言えば、
総合IQではなく、各項目の成績の落差です。
発達障害の場合、
「得意分野は常人以上、苦手分野は常人以下」となり、
「成績を総合すると平均内以上に収まる」という事です。
そして支援の場では「苦手分野」に焦点にあて、
「得意分野」は置き去りとなる傾向があります。
それは何故か?自分が思うに、
「支援者の能力の問題」と、それに準ずる
「支援者の責任の問題」の二つがあると考えられます。
(能力がなければ、責任が負えない)
順に説明していきます。
先ず能力向上のためには「失敗のリスク」は避けては通れません。
誰もが「失敗をしながら」ステップアップしていきます。
支援者は「失敗しても安全な場」を用意し、
失敗によるリスクを抑えて能力向上を促します。
そして、支援者がリスク管理しやすいのは
「得意分野」より「苦手分野」の方です(ココ重要)
理由として、
・「苦手分野」であれば支援者が「教えられる立場」である事
・「苦手分野」の失敗であれば、周囲の理解が得られやすい事
そして逆に「得意分野」を育てるためには
「その分野のエキスパートが必要」になります。
もし支援者にエキスパートがいなければ、
「外部のエキスパートの方にお願いする」という事です。
これは支援者にとって大きな責任、大きな投資になります。
また、支援者の方は
「当事者の得意分野を見極める力」が必要になります。
(そうでないと投資が失敗した際の責任が取れません)
支援者としては「ハードルが高過ぎる」という事です。
以上が「当事者の得意を活かす支援」より
「当事者の苦手を埋める支援」が優先される理由と考えられます。